筋トレや運動によるダイエットを行っている人の中には、栄養やたんぱく質不足を補うためにサプリメントを飲んでいる人も多いかと思います。しかし、サプリメントは現在、大豆(ホエイ)、ソイ、クレアチン、HMBなどとても種類が多いです。更に、各メーカーは効果別ごとにいろいろな商品を展開しています。そのため、初心者にはどれを選べばいいのかよく分かりません。そこで、今回は初心者のあなたに向けてサプリメントの種類と効果、選び方を紹介します!
1.サプリメントとは
そもそもサプリメントとはどういったものなのでしょうか。簡単に言えば、「栄養強化食品」や「栄養補助食品」などと言われている通り、普段の食事だけでは足りていない必要な栄養素を食事以外から摂取するために作られた食品のことです。必要な栄養成分を、飲料や粉末、錠剤、カプセルなどの形で提供しているものが多く、持ち運びが便利で、また、今ではコンビニにも置かれているほど手軽に摂取することができるとても便利なものです。
そんな便利なサプリメントですが、普段の食事と上手に組み合わせることで筋トレの効率はさらにアップしますので、賢い活用方法をここできちんと学んでおきましょう。
2.サプリメント摂取は3食の食事プラスアルファとして
サプリメントとは足りない栄養素を補強する補助食品ですが、大前提として理解しておかなければいけないのは、サプリメントは食事代わりにはならないということです。食事量を減らす目的でサプリメントを採り、体重を減らしてから筋トレを始めようとするのはまさに本末転倒です。食事量が減ったことで一時的には体重は減るかもしれませんが、減ったとしてもすぐにリバウンドするだけでなく、体調を崩す危険性もあります。サプリメントとは「補助食品」という名前が示しているように、あくまでも1日の食事の3食にプラスアルファとして足りていない栄養素を摂取することが重要なのです。
3. サプリメントの種類
現在サプリメントにはたくさんの種類がありますが、その中からどれを選んだらいいか迷ってしまいますよね。そんなあなたにアドバイスさせていただくのは、筋トレの目的により摂取するサプリメントは違うということです。
あなたが筋トレを進めるなかでサプリメントをどう役立たせたいのかを考えて、普段の食事ではカバーしきれない栄養素を中心に種類を絞っていくようにすると良いかと思います。そのためには、あなたが現在どのような状態なのか把握することが大事です。「もっとパワーアップしたい」「筋肉をもっとつけたい」「もっとスタミナをつけたい」など、現在のあなたの状況にあったサプリメントを選ぶのが最も筋トレを効果的に進める方法になります。
4. 筋トレ目的別サプリメントの種類、摂取量とタイミング
■筋肉量の肥大が目的
【100%CFMホエイプロテイン】
主な特徴:上質なタンパク質を摂取することができる
筋肉を増やす原料となるのはやっぱり何といってもタンパク質。通常の食事で摂取できない分はプロテインで補うのがよいです。その中でも良質なタンパク質が補給できるホエイプロテイン(乳清タンパク)がおすすめです。
摂取量とタイミング:トレーニングの1時間前と終了後30分以内に1回20~30gを摂ると効果的です。
■スタミナ・持続力向上が目的
【メガパワーマルチビタミン&ミネラル】
主な特徴:代謝を助けるビタミンとミネラルが同時に摂れる
スタミナ・持続力の向上を目指すことが目的の場合は、疲労物質である乳酸の影響を和らげるものや、疲労した体を通常の状態に戻す働きのあるサプリメントがおすすめです。
摂取量とタイミング:ビタミンB群は乳酸の影響を軽減する働きがあるので、トレーニング1時間前に50mg程度摂ると効果的です。一方、同じ働きのクエン酸はトレーニング2時間前の食後に5g程度摂ると効果的です。
■パワー・瞬発力向上が目的
【クレアチンチャージ】
主な特徴:運動中に瞬発力が低下しない効果が得られる
筋肉が力を出すときには、脳から筋肉に「力を出せ」という指令が出されます。脳からの指令がしっかり筋肉に伝わらなければ、いくら身体能力があっても筋肉はそれを発揮することができません。指令伝達物質のレベルUP効果が期待できるのがクレアチンです。
摂取量とタイミング:クレアチンパウダーを約5g、運動前に摂取すると効果的です。
5.プロテインとはタンパク質のこと
次に筋トレを行っている人の中でも多くの人が摂取しているサプリメントのプロテインについて触れておきたいと思います。プロテインとは「タンパク質」のことです。ほとんどの人がプロテインと聞くと、「ムキムキになるサプリメント」「筋肉を増やすための薬」といったイメージをお持ちだと思います。
しかしプロテインとは、ヒトが普段の食事から摂取している三大栄養素のひとつ『タンパク質』のことです。(ちなみに三大栄養素の残りの2つは『脂質』、『糖質』です。)
このタンパク質は筋肉だけでなく、皮膚や髪の毛、爪など、ヒトの体の根本であり、酵素や免疫力の働きにも大きく関わるなど、ヒトの生命維持に欠かせないたいへん重要な栄養素です。
ですので、筋トレを行いプロテインを摂取することにより、筋肉のもととなるタンパク質を摂取できるので、筋肉を効率よく増やすことができるのです。
■タンパク質とは
タンパク質は筋肉を効率よく増やすのに効果的と言いましたが、そもそもタンパク質とは一体どんなものなのでしょうか。ヒトのカラダの大部分(約60%)が水分であるということはあなたも耳にしたことがあると思いますが、水分の次に多い成分がタンパク質(約15~20%)です。水分を除くとカラダの約80%を占めます。タンパク質は、約20種類のアミノ酸が結合してできています。そして、アミノ酸の中には、体内で合成することができないために食品から摂取しなければならないものがあります。そうしたアミノ酸は「必須アミノ酸」と呼ばれ、成人の場合はイソロイシン、ロイシン、トリプトファン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、ヒスチジン、スレオニン、バリンの9種類、子供の場合はこれらにアルギニンを加えた10種類があります。
■1日に必要なタンパク質量の目安とは
(1)なにも運動していない人
体重1kgあたり0.8~0.9g(体重60㎏の人なら48~54g)
(2)軽い運動をしている人
体重1kgあたり1.2~1.5g(体重60㎏の人なら72~90g)
(3)筋肉をつけたい人/体重を増やしたい人
体重1kgあたり2gが必要摂取量(体重60㎏の人なら120g)
■プロテインでタンパク質を摂取する場合
食品ではなくプロテインドリンクでタンパク質を摂る場合、効率よく吸収できるよう以下も覚えておくといいです。
・肝臓や腎臓に負担がかかってしまうため、一度にプロテインを大量に飲むのはNG
・1回あたりの食事やプロテインでのタンパク質摂取は20~30gが目安
6.プロテインの種類
一般的に販売されているプロテインには、大きく分けて3つの種類があります。
1.ホエイプロテイン
ホエイプロテインは牛乳から作られているプロテインです。吸収速度が速いことが特徴で、筋肉づくりに効果が高いとされます。そのため、一般的に販売されている多くの商品はこのホエイプロテインです。
2.カゼインプロテイン
カゼインプロテインも、ホエイプロテインと同様に牛乳から作られるプロテインです。吸収速度がゆっくりしており、腹持ちが良いためダイエット時に多く活用されます。
3.ソイプロテイン
ソイプロテインは大豆から作られています。大豆に含まれるイソフラボンが摂取できるため、女性向けに作られるプロテインの多くはソイプロテインです。食物繊維が豊富なため吸収速度がゆっくりで、ダイエットにも活用されます。
7.プロテインを買うときのチェックポイント
(1)タンパク質含有率をチェックする
筋トレを効果的に行うためにプロテインで効率よくタンパク質を摂るには、“タンパク質含有率”を確認してみましょう。タンパク質含有率とは、摂取したプロテイン量の中にどのくらいタンパク質が含まれているかを表した数値のことです。
例えばタンパク質含有率が80%の場合、100gプロテインを摂取したら80gのタンパク質が摂れるということです。つまりタンパク質含有率が高ければ、少ない摂取量でも多くのタンパク質が摂れるということになります。
(2)継続して買い続けられる値段か
プロテインは食品です。そのため数回飲んだだけですぐに効果が現れるというものではありません。効果が現れるまでにはある程度時間がかかります。そのため継続して摂取し続けるためには、やはり値段も重要なチェックポイントとなります。
最近では、安いプロテインも多く販売されています。安い商品は質が悪いというイメージをお持ちの方がいるかもしれませんが、必ずしもそうではありません。タンパク質含有率と値段からタンパク質1gあたりの値段を計算して、コストパフォーマンスの高い商品を探してみるのもよいでしょう。最近ではドラッグストアやスポーツショップだけでなく、インターネットでも様々な商品が販売されていますのであなたもチェックしてみてください。
(3)毎日飲み続けられる味か
値段と同様に飲み続けるために重要なチェックポイントとなるのが“味”です。嫌いな味のものでは毎日飲み続けることは難しいです。それでも最近は美味しい味の商品が増えてきていますので、気になった商品があればいろいろと試してみるのがいいかもしれません。
(4)牛乳でお腹を壊しやすい人はWPI製法を選ぶ
ホエイプロテインを購入する場合にチェックしたいのが製法です。僕の場合は牛乳を飲むと必ずお腹が緩くなったり痛くなったりするので必ず確認します。
牛乳には乳糖と呼ばれる成分が含まれているのですが、体質によってこの乳糖を消化することができず、腹痛やお腹の不調の原因になってしまうのです。(これを乳糖不耐症と呼ぶらしいです)
ホエイプロテインの製法には以下の種類があり、製法によって乳糖の有無に違いがあります。
<WPC(ホエイプロテインコンセントレート)製法>
最も一般的で安価なプロテインはこのWPC製法のものです。タンパク質を抽出する際のろ過精度が低く乳糖が含まれたままの状態のものです。一方で、タンパク質以外の糖質やビタミン、カルシウムなども含まれているのが特徴です。
<WPI(ホエイプロテインアイソレート)製法・WPH製法・CFM製法>
こちらの製法はWPC製法よりも細かくろ過されており乳糖が除去されています。そのため、乳糖不耐症の人でも安心して飲むことができます。
WPI製法は高純度のタンパク質が摂取できる製法で、WPH製法は半分消化された状態で体内に吸収しやすいように加工されています。また、CFM製法はWPI製法で抽出したタンパク質に加え、筋肉づくりに効果的な栄養を追加で配合した製法です。どちらの製法も手間がかかっているため、WPC製法よりも少々値段が高い商品が多いです。
8.まとめ
筋トレに効果的なサプリメントはプロテイン。筋トレ初心者は「タンパク質含有率」をチェックし効率よくタンパク質を摂ろう!!プロテインは筋肉づくりに効果的なサプリメントである一方、ただ飲むだけで筋肉はつきません。継続的にトレーニングを行い、適切なタンパク質を摂取することで効率よく効果的な筋トレを行おう!